2026年1月23日金曜日

国防と平和:日本人の「急速転換」の歴史 ガラパゴスかハリネズミか、大東亜共栄圏か鎖国か、平和ボケかリアリズムか

 

国防と平和:日本人の「急速転換」の歴史

ガラパゴスかハリネズミか、大東亜共栄圏か鎖国か、平和ボケかリアリズムか

1. 日本人には「2つのモード」しかない

白村江の戦い、元寇、幕末、そして先の大戦。歴史を振り返ると、日本人は国防の危機が切実になった瞬間、**「ウルトラリアリズム」へと切り替わります。 しかし、その危機が去ると、途端に「平和ボケ」や「ガラパゴス」と言われるスリープモードに入ります。これを「島国根性」と呼ぶ人もいますが、私はこれを日本という国家の生存本能的な「モードチェンジ」**だと捉えています。 中道はありません。「ボケーっとしている」か、あるいは「過敏に反応してハリネズミになる」か。この極端な振り子運動こそが、日本の歴史と文化を形作ってきました。そして今、我々は再び「ヤバい」と感じ、スイッチが入りかけているのです。

2. 日本を守るには「大東亜共栄圏」しかなかった

誤解を恐れずに言えば、幕末以降の日本の防衛思想の正解は、常に**「大東亜共栄圏(巨大な緩衝地帯)の構築」**にありました。 これはイデオロギーの話ではなく、近代軍事と地政学の冷徹な結論です。

大国は皆、本土を守るために周辺に巨大な「クッション(緩衝地帯)」を欲します。

  • アメリカ: 東は太平洋、西は大西洋、南はラテンアメリカ全体を緩衝地帯とし、本土を絶対安全圏にする。

  • ロシア(ソ連): モスクワを守るため、東欧や中央アジアに膨張し、距離を稼ごうとする。

日本も同様です。日本列島という細長い本土を守るには、朝鮮半島、満州、そして南洋諸島を勢力圏(バッファー)に収める必要があった。幕末の島津斉彬や鍋島直正、そして西郷隆盛らの征韓論も、根底にあったのは領土欲というよりも**「緩衝地帯を作らないと死ぬ」という恐怖とリアリズム**でした。 「大東亜共栄圏」とは、軍国主義の妄想ではなく、当時のテクノロジーと国際情勢における、日本にとっての必然的な防衛ドクトリンだったのです。

3. 「緩衝地帯を持つ側」から「緩衝地帯そのもの」へ

しかし敗戦により、日本は自らの緩衝地帯をすべて失いました。 現在の日本は、かつて自分が持とうとした緩衝地帯ではなく、**「アメリカという超大国の緩衝地帯(最前線の盾)」**の一部に組み込まれています。

太平洋は、アメリカにとっては「自国の湖」であり、本土防衛のための巨大な堀です。 その堀の向こう側(日本列島・沖縄・台湾・フィリピン)で中国を食い止めておけば、アメリカ本土は無傷で済みます。 よく「アメリカは台湾や日本を守るか?」という議論になりますが、感情論ではありません。 台湾は、アメリカが大東亜戦争で日本と血を流して戦い、獲得した**「戦利品(既得権益)」**です。中国共産党に易々と渡すわけがありません。アメリカという国は、ビジネスライクな資本主義の権化であり、自国が投資した資産(勢力圏)を回収不能にすることを極端に嫌います。

しかし、日本にとってのリスクは残ります。「アメリカの防衛圏(盾)」である以上、背後(アメリカ)から刺されることはありませんが、**「盾として使い潰される(戦場になる)」**リスクは常にあります。

4. 日本の方針転換は世界一早い

現在、日本人の意識は急速に現実主義路線へと切り替わっています。 防衛費の増額、敵基地攻撃能力の保有、台湾有事への関心。数年前なら議論すら憚られた内容が、今や常識になりつつあります。

世界の大国と比較しても、日本の方針転換の速さは異常です。 平和だと信じれば刀を捨てて商売に励み(江戸時代・戦後)、国難だと悟れば国を挙げて要塞化する(戦国・幕末・戦前)。 日本には「ガラパゴスモード」と「ハリネズミモード」しかない。中間がないからこそ、変わり身が早い。 今の情勢を見るに、日本というシステムは、静かに、しかし確実に**「ハリネズミモード」への再起動**を完了しつつあるように見えます。

0 件のコメント:

コメントを投稿