2009年11月4日水曜日

記号過程

"はじめに言葉があった"という言葉を現代思想的な意味で理解できると、現代思想のある側面からの理解、あるフレームワークにのっとった理解はできているのかもしれません。

ソシュールは記号が成立する前に記号によって表されるものは存在すると考えました。
物や事に名前をつける以前にそれによって表される根源的なものは存在するという風に考えました。
初めに根源があってそのあとにいろいろあって現前があってしかるのち最後に言葉があるという認知モデルから近代思想は成り立っています。

現代思想は認識の成立には現前が必要であると考えました。
現前とはマトリックスの結節が特異点を形成し、人間の前に現れるものです。
しかしこれは儚いものです。
ここに言葉というヘッダーが付与されることにより現前体がいろいろな意味で変質します。

知覚自体もそもそも現前形成の際の一つの要素に過ぎません。
実は言葉にもそのような役割を担う面があります。
知覚だけでは経験は形成されません。
記憶とか情動とか意味とかいろいろなものを統合して現前は形成されます。
現前に対して人間は記号を付与することがあります。
音声記号の言葉や視覚記号の文字など、あるいは鏡像関係と言われるものも記号化の一種です。
象徴化と呼ばれるものも記号化です。

さて現代思想ではこのようにして
近代思想においては根源が初めに存在してそれに対して二次的に現前や言葉が形成されます。
この根源をイデアといったり、物自体といったりし、言葉を無視してイデア自体を探求しようとする学問を形而上学といいます。
一方現代思想では言葉/(≒)現前が最初にあり、その後に人間は根源を形成します。
このように記号化が形成された後にさかのぼって人間は根源を認識すると考え、現前/(≒)言葉なしの世界にある根源のような認識機構モデルを否定します。
現代思想では初めに言葉があったのです。



言葉(記号でもいい)の機能として考えられるのはいくつかあります。
①現前に対する言葉のモダリティー変換:現前自体は様々なモダリティーの混合が統合されて形成されますがこの段階では、現前事態に色はありません。言葉によって新たなモダリティー様式を付与されます。
②現前に対する言葉のラベル機能
③現前に対する言葉による操作性の向上
④伝達機能;自分にも他人にも
⑤保存性
⑥同一性, 恒常性、持続の維持の容易さ:記憶蓄積
⑦言葉自体が現前の際の統合されるものの一つの要素でもある
⑧コード化による外の世界への保存

象徴界のマトリックスの結節点(=現前)は記号化により新たな世界を形成します。
われわれはこの世界の成り立ちを知るべきだ、というのが現代主義です。

0 件のコメント:

コメントを投稿