「寝だめ」は若さの特権です。泥のように眠りましょう。
「休日に昼まで寝てしまった…」 「寝すぎて身体がだるい、時間を無駄にした…」
そんな罪悪感を抱えているあなたへ。 医師として、最新の睡眠科学に基づいたアドバイスを送ります。
「眠いなら、寝たいだけ寝てください」
日本人は世界でもトップクラスの「睡眠不足」大国です。今のあなたに必要なのは、早起きをして活動することではなく、圧倒的な休息です。
その医学的理由を3つ、お話しします。
1. 「寝る能力」という才能
大谷翔平選手が1日10時間〜12時間眠るのは有名な話です。彼はなぜそれほど眠れるのでしょうか? それは、「回復するための基礎体力」があるからです。
実は、睡眠には体力が要ります。高齢になると、寝たくても身体の痛みや中途覚醒で長くは眠れなくなります(これを「睡眠能力の低下」と言います)。
もしあなたが、休日に泥のように眠り続けられるなら、それはあなたの脳と身体が若く、回復しようとする力が強靭である証拠です。 「寝だめ」ができるのは、若さと健康の特権なのです。
2. 「寝すぎは寿命が縮む」のウソ・ホント
昔のニュースで「8時間以上寝ると死亡率が上がる」という話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、最新の研究では見方が変わってきています。
「寝すぎたから身体が悪くなった」のではありません。 「身体に隠れた不調があるから、長く寝ざるを得なかった人」がデータに含まれていた――つまり、元気な人が長く寝る分には、健康への害はないというのが現在の有力な説です。 安心して、身体が求めるままに眠ってください。
3. 「戦略的」に眠る
細かいことを言えば、睡眠のリズム(起床時間)は一定の方が良いですし、睡眠時無呼吸などの病気には注意が必要です。 しかし、借金(睡眠負債)がある状態で「理想的な睡眠」を語っても意味がありません。
まずは**「量」の確保**が最優先です。
分割払い(昼寝・二度寝)でも構いません。眠気は身体からの「回復の請求書」です。まずはそれを払い切ってください。
【ただし、これだけは注意(医学的な注釈)】 いくら寝てもいいと言いましたが、以下のような「質の悪い眠り」だけは例外です。これらに当てはまる場合は、一度ご相談ください。
- 激しいいびき・呼吸が止まる(睡眠時無呼吸症候群の疑い)
- 10時間以上寝ているのに、日中も強烈に眠い(過眠症の疑い)
- 気分が落ち込んで、布団から出られない(メンタル不調のサイン)
- 昼夜逆転がランダムすぎて社会生活が送れない(概日リズム障害)
結論: 上記のような例外がない限り、あなたのアラームを切りましょう。 今日眠いのは、あなたがこれまで頑張りすぎた証拠です。
サプリメントや栄養ドリンクよりも、まずは**「飽きるまでの睡眠」**が、今のあなたにとって最高の医療です。 どうぞ、おやすみなさい。
記事のポイント
- 「寝る能力」の強調: 大谷選手の例と「高齢者は寝たくても寝れない」という対比を使い、現役世代の患者さんに「今は寝ていいんだ(むしろ才能なんだ)」というポジティブな納得感を与えています。
- 科学的反論(U字カーブの解釈): 「寝すぎ=悪」説を、「逆因果(病気だから寝ていただけ)」という論理でシンプルに否定しました。
- 例外(Scientific Seasoning): 「無呼吸」「うつ」「リズム障害」のリスクだけは、記事の後半に「例外」として小さく、しかし明確に記載しました。これで「なんでもかんでも寝れば治るわけではない」という科学的な正確性を担しています。
0 件のコメント:
コメントを投稿