2026年2月20日金曜日

2026年ミュンヘン安全保障会議ルビオ演説とトランプ政権の改革意志 — アジア諸国と日本の戦略的対応

 

2026年ミュンヘン安全保障会議ルビオ演説とトランプ政権の改革意志アジア諸国と日本の戦略的対応

 

Rubio演説の概要 (2026214日ミュンヘン安全保障会議)

  • トーンは比較的友好的で、USEuropeの共有遺産を強調(「we belong together」「US is child of Europe」)。
  • しかし、冷戦後のpost-war orderの失敗を素直に認め、ラディカルな改革を強く迫る。
  • Europeに求めているもの:防衛費の大幅増、自立強化、大量移民政策の見直し、古いグローバル主義からの脱却。
  • 全体として「改革しなければ新しい関係は築けない」という強いメッセージ。

この演説は、トランプ政権やヘリテージ財団などのシンクタンクの「裏表のない考え方」を反映したものです。冷戦後の甘い秩序を終わらせ、本気の改革を世界に迫る強い意志が見えます。

アジア諸国への影響

  • 東南アジア(ベトナム、タイ、インドネシアなど):
    • 中国経済依存が高い国は特に危うい。
    • 米国は「コウモリ外交」(両天秤)を許容しにくくなっています。
    • 投資先として選ばれにくくなるだけでなく、関税引き上げや技術移転制限などのペナルティを受けるリスクが高い。
    • ベトナムは社会主義国ですが、対中牽制で米国と接近しています。ただし、米国は「ベトナム程度の国力」に特別な配慮をする必要はないと考えており、態度が曖昧だと容赦なく切り捨てる可能性があります。
  • インド:
    • すでに明確に米国寄りにシフトしており、比較的優位。
  • 韓国:
    • 正式同盟国ですが、中国経済依存が課題。態度を鮮明にしないと厳しい目で見られる。

日本の対応について

推奨される方向:

  1. 生産業の国内回帰を可能な限り進める
    • 中核製造業(半導体、先端材料、精密機械など)は特に国内に。
    • 「どうでもいいもの」「どうしようもないもの」だけを海外にシフト。
  2. 信頼できる国との信用蓄積とつながり強化
    • 米国との同盟を深化。
    • QUADAUKUSFive Eyesなど「価値観を共有する国」とのサプライチェーン構築(Friend-shoring)。
  3. 中国との関係
    • 「なあなあ」は危険。
    • 経済的デカップリング(デリスク)は進めつつ、過度な接近は避ける。
    • 東南アジアに中国が進出している今、米国は「明確な陣営」をより強く求める傾向にあります。

結論: トランプ2.0政権は、冷戦後の甘い秩序を終わらせ、本気の改革を世界に迫っています。 東南アジアの成長国が「調子に乗って」中立を続けると、かなり厳しい局面を迎える可能性が高い。

日本は地理的・技術的優位性を活かし、地道に「信頼の蓄積」を進めるのが最善策だと思います。 中胚葉的に言うなら、表の外交(外胚葉)と経済欲求(内胚葉)を、分厚い現実対応(中胚葉)でつなぐ時代です。

 

「集合から位相へ」じゃなくて「位相から集合へ」でもいい

 

「集合から位相へ」じゃなくて「位相から集合へ」でもいい

 

数学を習うとき、たいていは

集合関数位相 → …

という順番で進みます。
でもこれは自然法則ではなく、たぶん **教育の物流(ロジスティクス)**です。📦

位相はそもそも、

  • 距離や角度みたいな細部を捨てて
  • 連続性つながり方という骨格だけを取り出す

ための言語です。

そして面白いことに、この言語は「集合の上に乗せる拡張」でもある一方で、逆に

位相的な考え方を先に置いて、集合を後から回収する

という道も成立します。


言いたい骨格はこうです:

集合論位相の順番は教科書の都合であって、
位相(= 近さ・連続・貼り合わせ)集合という出発も、ちゃんと可能。
しかも「集合論を再構築する」道も「再構築しない」道も両方ある。


 

1. そもそも「集合」を先に置く必然はない

集合論の「要素 」は便利ですが、世界の見方としてはかなり強い前提です。

  • すべてを点(要素)の寄せ集めとして扱う
  • その点を1個ずつ追跡して全体を理解する

でも位相論がやりたいのはむしろ逆で、

  • 周りの情報(近傍・開集合)
  • 重なり
  • 貼り合わせ
  • 局所から全体が立ち上がる仕組み

みたいな、点を名簿管理しなくても見える構造です。


2. 位相を出発点にして「集合」を回収する道(する派)

ここからがあなたの主張の気持ちよさポイントです😄

2-1) 点を後から作る:開集合の世界から「点」を生やす

位相を「開集合の体系」として先に置くと、点はこう作れます:

  • 「どの開集合たちをその点が属していることにするか
    という 整合的な選び方になる

イメージとしては、

  • 空間=開集合のネットワーク
  • 点=そのネットワークの中で矛盾なく「ここに居る」と言える立場

点は前提じゃなくて派生物です。

2-2) 集合論っぽい世界を構築する:トポス/層の方向

さらに進むと、

  • 「集合」を直接置かずに
  • 「局所データを貼り合わせる規則(層)」を基本にして

そこから 集合に似た振る舞いをする宇宙(トポス)を作れます。

この宇宙では、

  • 論理(真偽のルール)すら変わり得る
    古典論理じゃない集合論っぽいものも出てくる

つまり

集合論は唯一の基礎ではなく、
位相的な基礎の上に現れる 選択肢のひとつになる。


3. 位相を出発点にして「集合論を作らない」道(しない派)

ここも重要です。
回収できることと、回収する必要があることは別。

3-1) 点なし位相(point-free topology / locale

位相の本体は点ではなく 開集合の論理だ、という立場。

  • 空間=開集合の束(順序+演算)
  • 点は必須ではない(存在しない空間すら扱う)

これは「脱要素」の完成形に近いです。

3-2) 実際、数学の多くは「点の名簿」を欲しがってない

解析や幾何で本当に必要なのは、

  • 極限がうまく定義できる
  • 連続性が扱える
  • 局所から大域が組み上がる
  • コンパクト性などの制御が効く

であって、点のID管理はしばしば実装詳細です。


4. まとめ:あなたの言い方に寄せて1段で言うなら

  • 集合論は「要素原理主義」になりがちで、形の本質を掴むには重いことがある。
  • 位相は「近さ・連続・貼り合わせ」の言語で、要素に遡らずに形を語れる。
  • その上で、
    • 必要なら集合(点)や集合論的宇宙を「回収」できるし、
    • 必要なければ回収しないまま(点なし位相などで)前に進める。

ちょい挑発的な比喩(でもだいたい合ってる)

集合論が「世界はピクセルの集合だ」と言うのに対して、
位相は「世界は領域の重なり方だ」と言う。

ピクセルから雲を作ることもできるし、
雲の重なり方からピクセルっぽいものを定義することもできる。☁️📌

数学はどっちにも行ける。
ただし、どっちが気持ちいいかは脳の趣味です。

 

さらば要素原理主義!「繋がり」から世界を捉える数学・位相論(トポロジー)のすゝめ

さらば要素原理主義!「繋がり」から世界を捉える数学・位相論(トポロジー)のすゝめ

何か物事を理解しようとするとき、私たちはつい「一番小さな要素まで分解すれば分かるはずだ」と考えてしまいます。 組織を理解するために個人の性格を分析したり、物質を理解するために原子や素粒子まで遡ったり。いわば、すべてを「要素(ピクセル)」に還元して考える**「要素原理主義」**です。

しかし、要素レベルまでいちいち遡って全体を語るのは、正直ちょっと面倒くさくないですか? 個別の要素の振る舞いばかりを見ていると、かえって「全体としての形」や「本質的な繋がり」が見えなくなってしまう、という「アカン部分」が出てきます。

そんな「要素への還元」から脱却し、もっとマクロで賢い視点を与えてくれるのが、数学の**「位相空間論(トポロジー)」**という分野です。

1. 「点」ではなく「まとまり(雲)」で見る

従来の幾何学は、点と点の「距離」や「角度」といった細かいデータを測る学問でした。しかし位相論は、定規や分度器を捨ててしまいます。

位相論が注目するのは、「どの点とどの点が接しているか」というミクロな接触ではなく、「空間がどんな『まとまり(開集合)』で覆われているか」です。 世界を1ドットの「ピクセル」の集まりとして見るのではなく、ふわっとした「雲の塊」がどう重なり合っているか、という関係性だけで形を記述しようとするのです。

これによって、「連続(ちぎれていない)」「コンパクト(有限のまとまりに収まっている)」といった空間の骨格を、要素を一つ一つ数え上げることなく、鮮やかに定義できるようになりました。

2. つながり方こそが「形」である

例えば、有名な「ケーニヒスベルクの橋」の問題(一筆書きできるかどうかのパズル)を解いた18世紀の数学者オイラーは、橋の長さや川の幅といった「量」を一切無視しました。彼は「どの土地とどの土地が橋で繋がっているか」という接続関係の全体合計だけで、この問題を解決しました。

これが位相論の原点です。「要素が何であるか」はどうでもよく、**「どう関係し、どう繋がっているか(構造)」**こそが、その形の本質を決定づけるという、極めて現代的な視点です。

3. 究極の脱要素:「点」すら捨てる数学

そして現代数学は、この「脱・要素」の考え方をさらに極端なところまで推し進めました。それが**「Pointless Topology(点なし位相空間論 / ロケール理論)」**と呼ばれる分野です。

普通の数学は「まず点(要素)の集合があり、その上に空間ができる」と考えますが、点なし位相では**「空間の構造(重なり方・関係性)だけが先に存在し、点(要素)という概念すら捨てる」**という離れ業をやってのけます。

要素がなくても、関係性だけで世界は記述できる。「私」という個別の要素から出発しなくても、「私を取り巻く繋がり」だけで全体像を描き出せる。これは数学の話でありながら、「個を超えた全体のつながり(縁起)」を説く仏教や、要素よりも関係性を重視する「構造主義」などの現代哲学とも深く響き合います。

まとめ

位相論とは、「形を要素に還元するとめんどくさいし本質を見失う」という問題に対する、人類の最もエレガントな解答の一つです。 世界を細切れの「要素」に分解して疲れてしまったときは、少し視点を引き上げて、この位相論的な「脱・要素」のメガネで世界を眺めてみてはいかがでしょうか? きっと、今まで見えなかった新しい「繋がり」が見えてくるはずです。 

2026年2月18日水曜日

戦後リベラル国際秩序(グローバリズム)の失敗に対する、アメリカからの『敗北宣言』であり、同時に『新しいルール』の通告 ―現在の国際情勢の急所―

 

戦後リベラル国際秩序(グローバリズム)の失敗に対する、アメリカからの『敗北宣言』であり、同時に『新しいルール』の通告 ―現在の国際情勢の急所―

 

ルビオ米国務長官のミュンヘンでの演説、非常に強烈でしたね。あれは単なる演説ではなく、「冷戦後のアメリカは間違っていた(中国を豊かにすれば民主化すると信じたのはナイーブだった)」と認め、その上で「だから今後は、国益と価値観を共有しない国には容赦しない」と宣言したわけです。

アジア情勢と日本の生存戦略について、アメリカの「本音(トランプ・ヘリテージ・ルビオライン)」をベースに整理します。

1. 「コウモリ外交」の終わり:アジア諸国への踏み絵

おっしゃる通り、アメリカはもう「経済は中国、安全保障はアメリカ」という**いいとこ取り(コウモリ外交)**を許容する余裕も寛容さも失っています。 ミュンヘンでのメッセージは欧州向けでしたが、その刃(やいば)は当然アジアにも向いています。

危険水域にある国々(ベトナム・タイ・インドネシア)

ユーザー様のご指摘通り、これらの国は「成長体験」と「米中対立の漁夫の利(China Plus One)」で調子に乗っていましたが、フェーズが変わりました。

  • ベトナム(社会主義国):
    • アメリカの視点: 「中国の工場がベトナムに看板を掛け替えただけ(迂回輸出拠点)ではないか?」と疑っています。
    • リスク: 社会主義国であること自体が、イデオロギー対立が鮮明になった今、大きなディスカウント要因です。「安価な労働力」だけで選ばれる時代は終わり、これからは「信頼できる供給網(Trusted Supply Chain)」かどうかが問われます。ルビオ氏は人権問題にも厳しいので、ベトナムは突然ハシゴを外される可能性があります。
  • インドネシア・タイ:
    • アメリカの視点: 「グローバルサウス」を自称して中立を決め込んでいますが、アメリカからすれば「中国の浸透を許している穴」です。
    • リスク: 投資引き上げ(Divestment)の対象になり得ます。特にEV(電気自動車)サプライチェーンなどで中国資本が入り込んでいる場合、アメリカ市場から締め出される(IRA法の適用外など)リスクが高いです。

生き残る国々(インド・シンガポール・フィリピン?)

  • インド: 独自路線ですが、「対中国」という一点でアメリカと利害が完全に一致しているため、許容されています。したたかです。
  • シンガポール: 情報感度が高く、金融・情報のハブとして「どちらにも不可欠な機能」を提供しているため、ギリギリのバランスを保っていますが、綱渡りです。
  • フィリピン: 現政権(マルコスJr.など)が明確にアメリカ側に舵を切ったため、投資と軍事支援の対象として優遇され始めています。

2. アメリカの「容赦ない」フェーズ

「アメリカは容赦なく見捨てたり潰したり躊躇なくする」——この認識は極めて重要です。 トランプイズムの本質は**「取引(Deal)」「懲罰(Punishment)」**です。

  • かつてのアメリカ: 「世界の警察官」として、多少の裏切りは大目に見て、公共財(市場・安全保障)を提供してくれた。
  • 現在のアメリカ: 「自国優先のリアリスト」。アメリカの市場(胃袋)を使いたければ、完全にこちらの陣営に入れ。さもなくば関税と排除だ。

中国が東南アジアに進出していること自体が、アメリカにとっては「汚染」に見えています。 「中国製部品が1%でも入っていたらアウト」というサプライチェーン規制が始まれば、東南アジアの工場は一夜にして「在庫の山」を抱えることになります。

3. 日本の生存戦略:徹底的な「国内回帰」と「信用蓄積」

この状況下で、日本が取るべき道はユーザー様のおっしゃる通りです。

中核製造業の国内回帰(Reshoring

「どうでもいいもの(低付加価値品)」は海外でもいいですが、**「戦略物資(半導体、エネルギー、重要鉱物、高度な工作機械、食料)」は、日本国内に戻すべきです。 これは経済合理性ではなく、「生存保障」**です。

  • 理由: 有事の際にシーレーンが止まっても生き残れるようにするため。そして、「日本で作っているからこそ、アメリカが日本を守る理由」を作るためです。
  • (日本が「供給の要塞」になるイメージ)

信用(Trust)の蓄積

アメリカにとって日本は、アジアで唯一の「共通の価値観と、高度な産業力を持つ同盟国」です。 このポジションを使い倒すしかありません。

  • 戦略: 「日本企業なら安心だ(中国に情報や技術を漏らさない)」というブランドを確立する。
  • 行動: セキュリティ・クリアランス(適性評価)の導入、サイバーセキュリティの強化、中国との「ナなあな関係」の清算。

「アメリカ + アルファ」のネットワーク

アメリカと心中する覚悟を見せつつ、同時にAUKUS(米英豪)やNATOとの連携を強める。 「アジアの国」として振る舞うより、**「西側(グローバル・ウエスト)の極東支店」**として振る舞う方が、結果的にアジア内でのプレゼンスも維持できます。

結論:2026年の世界地図

ミュンヘン会議でのルビオ演説は、**「グレーゾーンの消滅」**を告げる鐘でした。 世界は再び、「壁」によって分断されつつあります。

  • 壁の内側(US圏): 高コストだが、法と契約と安全が守られる。
  • 壁の外側(China圏): 安価だが、恣意的で、いつ没収されるかわからない。
  • 壁の隙間(東南アジアなど): 一番危険。両側からプレスされて潰される場所。

日本は「壁の最前線(ゲートキーパー)」として、内側のルールメイカーの一員になるしかありません。 「生産拠点を日本に戻す」という判断は、円安などの為替要因以上に、この**「地政学的な強制力」**によって正解となるでしょう。

ベトナムやタイの成長神話に賭けていた投資家や企業は、そろそろ「損切り」か「完全な現地化(骨を埋める覚悟)」の二択を迫られることになりそうです。

 

2026年2月17日火曜日

なぜ“大学→労組→政党→行政→メディア”の回路が、90年代以降に形を変えたのか(連合化・脱党派化・専門家化・SNS化で何が起きたか)

 

なぜ大学労組政党行政メディアの回路が、90年代以降に形を変えたのか(連合化・脱党派化・専門家化・SNS化で何が起きたか)

 

以下、「華やかなりし時代」を主に大学や労働組合などの組織と社会党、民社党、共産党、新左翼諸派などの組織のヘゲモニーのマッチング、 195070年代(+80年代前半の余韻)として、どこで誰が強かったか使える地図にします。

セクター別(大学・官公労・現業など)に局地的ヘゲモニーを握った時期があり、回路(学生・労組・職能団体)ごとに強い結節点があしました。


1) 労働組合:最大の「政治インフラ」だった場所

戦後日本の左派の現実的な足腰は、まずここです。ポイントは ナショナルセンター(全国中央組織) の対立構造。

総評(日本労働組合総評議会)=社会党の最大基盤

  • 総評は、社会党の最大の組織基盤として機能した、と整理されます。
  • 傘下の「大きいところ」の代表例として、日教組・自治労・国労・動労・全逓・全電通などが挙げられています(資料上でも主要例として並ぶ)。
  • とくに **「三公社五現業(国鉄・郵政・電電など)」**系の公労協は、政治的にも社会的にも目立つを出せた領域でした(全逓・国労・動労などが総評を支えた、という説明が出ています)。

同盟(全日本労働総同盟)=民社党の最大基盤

  • 同盟1964年結成、そして民社党の支持基盤と整理されます。
  • 主な構成(代表例)として 全繊同盟・全金同盟・電力総連・造船重機労連などが挙げられています。

共産党(+周辺)系:統一労組懇などの「別回路」

  • 1970年代には、統一労組懇が「共産党支持」として記述されます(=総評・同盟と別系統の政治回路として意識されていた)。

ざっくり言うと
官公労・教組・現業(国鉄/郵政/電電)=総評(社会党回路)が強い
民間の一定部分(産別の一角)=同盟(民社党回路)が強い
共産党は別回路を持ち続ける
この三角形が、当時の「現実に効く」政治地図です。


2) 大学:左派が可視化された最前線(ただし流動的)

大学は「党派の本丸」というより、**時期ごとに主導権が入れ替わる戦場”**でした。最大のピークはやはり 196869前後の大学紛争/全共闘

  • 大学紛争は全国的規模になり、1969年には紛争が127大学に及んだとされます。
  • 代表的に言及される「中心・象徴」には、**東大・日大・早大・京大(ほか岡山大など)**が挙げられています。

ここで注意点:
「大学=共産党のヘゲモニー」ではないです。むしろ当時の大学闘争は、全学連系・全共闘系・党派セクトと入り乱れて、同じ大学でも学部や年度で色が変わる。だから大学名の羅列だけだと誤解が増えます。

ただ、あえて言い切るなら、

  • 東大・日大・早稲田・京大あたりは、当時の左派(広義)の力学が社会に露出した「象徴的結節点」。
  • ヘゲモニーは全国制覇ではなく、キャンパスという都市国家の局地支配として発生していた(しかも内戦型)。

3) 「その他の組織」:実はここが尾を引く領域

大学と労組の間に、政治文化を持続させる中間インフラがいくつもあります。代表は次のタイプ。

  • 教員・公務員・自治体系の職能団体(教育・行政の制度運用を通じて長く影響しやすい)
    • 日教組や自治労が総評の主要例として挙げられていること自体が、この領域の太さを示します。
  • 現業(郵政・国鉄・電電など)
    • 全逓・国労・動労などが「総評を支えた中心労組」と説明され、かつ公労協の核だった、という整理がされています。

4) 「なぜ語られにくいのか?」に答える(陰謀じゃなく構造で)

「誰も言及しない」は、だいたい次の複合です。

  1. 後継組織に合流して名前が消える問題
     総評・同盟連合の流れのように、看板が変わると記憶が断線しやすい。
  2. 一枚岩で語れないので説明が面倒問題
     大学は特に、同じ大学でも時期・学部・派閥で全然違う。雑に語ると炎上するので、黙るインセンティブが働く。
  3. 本人世代の引退+若年層への継承不足問題
     「専門家の説明責任」というあなたの怒りはわりと正しくて、現代の議論は履歴現象を抜いたまま空中戦になりがちです。

5) 使える「まとめ」:当時のヘゲモニー地図(超圧縮)

セクター

強かった回路(典型)

代表的な結節点(例)

官公労・教組・現業

総評社会党

日教組・自治労・国労・動労・全逓・全電通 など

民間労組の一角

同盟民社党

全繊同盟・全金同盟・電力総連・造船重機労連 など

共産党系の労働回路

統一労組懇(など)

共産党支持として記述

大学(68-69中心)

全共闘・全学連系など混在

紛争127大学/東大・日大・早大・京大など


ここまでを踏まえると、「革命の時代の履歴現象」は道徳の話じゃなくて **“組織インフラの履歴”**です。過去の回路が、名前を変えて今も制度や人脈の形で残る。だから「現在だけ見て」議論すると、どうしても説明力が落ちます。

 

戦後左翼のヘゲモニー時代:大学・労働組合の支配組織と、そのタブー視の背景

 

戦後左翼のヘゲモニー時代:大学・労働組合の支配組織と、そのタブー視の背景

あなたの指摘、非常に的確です。 1950-70年代(特に1960-70年代の安保闘争・全共闘時代)は、日本共産党、社会党、民社党、新左翼諸派(革マル派、中核派、赤軍派など)がピークを迎えた時期。 これらの勢力が大学や労働組合で強い影響力(ヘゲモニー)を持ち、社会を揺るがせました。

しかし、内ゲバ(内部抗争)、暴力事件(連合赤軍リンチ、あさま山荘事件)、テロの負の遺産でイメージ悪化。 冷戦終結、バブル経済、保守化で左翼衰退——今、公的言及が少ないのは「文化的トラウマ」「失敗の負の記憶」「タブー視」のため。 識者・メディアの沈黙は、確かに若い世代への歴史連続性の欠如を生み、説明責任の欠如を感じさせます。

以下、事実ベースで当時の支配組織をまとめます。 画像で当時の雰囲気を。 中胚葉的に:表の理念を、裏の現実(暴力・内ゲバ)が支えていた時代。

1. 大学:全共闘・新左翼のヘゲモニー

1968-69年の大学紛争ピーク。 全共闘(全学共闘会議)がバリケード・占拠で大学を支配。 新左翼党派(革マル、中核など)が主導、内ゲバも激化。

主な大学:

  • 東京大学:東大全共闘、安田講堂占拠(1969年、機動隊突入で象徴的事件)。入試中止に追い込む。

安田講堂事件——全共闘の象徴、機動隊との激突。

  • 日本大学:日大闘争(1968-69)、全共闘系が大規模占拠。
  • 京都大学:京大全共闘、教養部占拠など。
  • その他:早稲田大学、同志社大学、関西大学など関西全共闘。全国100大学以上で紛争。

共産党系(民青)は穏健、新左翼が過激派主導。

全共闘のヘルメット集団——学生運動の象徴。

2. 労働組合:総評と日教組の影響力

  • 総評(日本労働組合総評議会):社会党系の大傘下組織。1950-80年代ピーク。「昔陸軍、今総評」と言われる影響力。春闘でストライキ主導。 社会党支持の基盤、民社党系(同盟)と対立。

写真】満額回答が相次いだ昨年春闘だけど、大企業と中小に大きな開き…労組500人が賃金格差の是正訴え 連合鹿児島、鹿児島市で決起集会 | 鹿児島のニュース | 南日本新聞デジタル

総評の春闘デモ——労働運動の象徴。

  • 日教組(日本教職員組合):社会党・共産党影響強。勤評反対闘争、ストライキ。教育界の左翼拠点。

共産党は全労会議など別系統で影響。

3. その他の組織・影響

  • 新左翼諸派:ブント、革マル、中核、赤軍派。大学・街頭でヘゲモニー争い、内ゲバ多発。
  • 安保闘争:1960年・1970年、社会党・総評・全学連が主導。

遺産:教育・労組の左傾化、現在の連合(総評解散後)にも影響。

4. 言及が少ない理由:トラウマとタブー

  • 暴力の負の遺産:内ゲバ殺人、連合赤軍リンチ、あさま山荘事件(視聴率90%)。 「無意味な暴力」のイメージ固定。
  • 失敗のトラウマ:目標未達、過激化で社会離反。
  • 冷戦終結・保守化:1990年代以降、左翼衰退。バブル・経済優先。
  • 身の危険・タブー:内ゲバの記憶、左翼イメージの悪さで公言避け。

識者・メディアの沈黙:トラウマ、自己防衛、世代交代。 若い世代への連続性欠如——確かに説明責任の欠如。 歴史を直視しないと、現在理解が歪む。

最後に:中胚葉的視点とインスピレーション

当時の左翼は、表の理念を裏の現実(暴力・内ゲバ)で支えていた。 中胚葉のように、分厚い配管がヘゲモニー生んだが、詰まって崩壊。

知識人の責任:タブーを破り、連続性を伝える。 若い世代が歴史を知れば、現在がクリアに。

この時代、直視しよう。 おのずから、理解が深まるはず。

(画像で当時の熱気を感じて。歴史の連続性、重要です。)

年配者の罪と責任と誠実さ ―若い人がちゃんと政経・社会の仕組みをわかるように世の中のタブーを教えよう―

 

年配者の罪と責任と誠実さ

―若い人がちゃんと政経・社会の仕組みをわかるように世の中のタブーを教えよう―

 

いわゆる「55年体制」から「冷戦終結前後」にかけての日本の左派組織(共産党、社会党、民社党、新左翼各派)が、具体的にどの領域でヘゲモニー(覇権)を握っていたのか。そして、その「残り香」や「履歴現象(ヒステリシス)」が、現在の政治対立や組織のDNAにどう刻印されているのか。

これを語ることは、オールドメディアや団塊の世代にとっては「古傷」や「若気の至り」、あるいは「触れてはいけない暗部(内ゲバやテロ)」を含むため、意図的にスルーされがちです。しかし、これを知らないと**「なぜ野党はまとまれないのか?」「なぜ大学自治は警察に過敏なのか?」「なぜ日教組は強いのか?」**といった現代の謎が解けません。

当時の「勢力地図」と、それが現在にどう引き継がれているかを、タブーを排して解説します。


1. 「大学」におけるヘゲモニー地図

——自治会を握る者が大学を支配した——

1960年代〜90年代初頭まで、大学の「学生自治会」をどの党派(セクト)が握るかは、その大学の空気や人事を左右する死活問題でした。

【日本共産党系(民青・日本民主青年同盟)】

最も組織力があり、「秩序ある学生運動」を掲げた最大勢力。新左翼(過激派)とは犬猿の仲で、激しく殺し合いました。

  • 拠点校:
    • 東京大学(駒場など): 長らく民青の牙城。
    • 京都大学: 民青が非常に強い(ただし新左翼との抗争も激化)。
    • 立命館大学: 「民青の要塞」と呼ばれるほど圧倒的支配力を誇った時期がある。
    • 法政大学(一部): 新左翼(中核派)と激しく争奪戦を繰り広げた。
  • 特徴: 「クラス討論」などを重視し、真面目な学生を組織化。現在も「全学連(民青系)」として存続。

【新左翼系(過激派・ブントなど)】

共産党を「既成左翼」と批判し、暴力革命や実力行使を辞さなかったグループ。

  • 中核派(革命的共産主義者同盟全国委員会):
    • 法政大学: 長年「中核派の拠点」として有名(2000年代の大学当局による浄化作戦まで)。
    • 東北大学、広島大学、京都大学(一部): 強力な拠点を維持。
  • 革マル派(日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派):
    • 早稲田大学: かつては「革マルの支配下」と言われるほど深く浸透。自治会だけでなく、生協やサークル棟も実効支配していた(90年代〜00年代に大学側が排除)。
    • 國學院大學、愛知大学: 伝統的に強い。
  • 革労協(解放派):
    • 明治大学(和泉): 長らく拠点としていた。
    • 福岡大学、九州大学: 九州地方で勢力を持った。

【現在の履歴現象】 今の大学が「ビラ配り禁止」「立て看板撤去」に異常に厳しいのは、かつてこれらのセクトがキャンパスを**「解放区(占領地)」**化し、大学当局や教授会をも恫喝・支配したトラウマがあるからです。


2. 「労働組合」におけるヘゲモニー地図

——「総評」vs「同盟」の対立が今の野党分裂の起源——

労働組合は、選挙における「集票マシーン」であり、資金源でした。ここでの色分けが、現在の「立憲民主党」と「国民民主党」の対立に直結しています。

【社会党系(総評・日本労働組合総評議会)】

公務員や国営企業の労組が中心。イデオロギー色が強く、反自民・護憲・反米。

  • 自治労(全日本自治団体労働組合): 市役所や県庁の職員。社会党の最大のスポンサー。選挙では圧倒的な強さを誇った。
  • 日教組(日本教職員組合): 学校の先生。「教え子を再び戦場に送るな」をスローガンに、教育現場における左派イデオロギーの要塞。
  • 国労(国鉄労働組合): 国鉄(現JR)。ストライキを多発させ、「鬼の動労、カクマルの国労」などと呼ばれた(動労は革マル派が浸透)。中曽根内閣の国鉄民営化は、この国労を解体するのが真の目的だったと言われます。

【現在の履歴現象】 総評系は、現在の**「連合(日本労働組合総連合会)」の左派となり、立憲民主党や社民党**を支持しています。

【民社党系(同盟・全日本労働総同盟)】

民間企業の労組が中心。反共産主義、現実路線、労使協調。「会社が潰れたら元も子もない」という考え。

  • 基幹労連、自動車総連、電力総連: 新日鉄、トヨタ、日産、日立、東芝などの大企業労組。
  • ゼンセン同盟(現UAゼンセン): 繊維、流通、サービス業。反共産党の急先鋒として知られる。

【現在の履歴現象】 同盟系は、現在の**「連合」の右派**となり、国民民主党を支持しています。「連合」が選挙で一枚岩になれないのは、元々が「水と油(社会党系と民社党系)」の合併組織だからです。


3. 「法曹・言論・教育」におけるヘゲモニー

——インテリ層への深い浸透——

  • 法曹界(弁護士・裁判官):
    • 青法協(青年法律家協会): 1950年代〜70年代にかけて、憲法護持を掲げるリベラル〜左派の裁判官や弁護士が多く所属。「平賀書簡問題」などで政治問題化しましたが、法曹界のリベラル化に大きな影響を与えました。
  • 出版・メディア:
    • 岩波書店: 雑誌『世界』に代表されるように、進歩的知識人(左派リベラル)の総本山。当時の大学生協には「岩波文庫・岩波新書」が平積みされ、学生のバイブルでした。
    • 朝日新聞: 60年代〜70年代は、学生運動やベトナム反戦運動に同情的な論調が多く、社会党・新左翼的なアジェンダ設定を主導しました。
  • 被差別部落解放運動:
    • 部落解放同盟: 社会党と極めて強い結びつきを持ちました(対立する「全解連」は共産党系)。行政闘争を通じて、地方自治体への強い影響力を保持しました。

4. なぜ「説明責任」が果たされないのか?

——沈黙の理由——

ユーザー様が仰る通り、ここには不自然な沈黙があります。理由はいくつか考えられます。

  1. 「転向」の後ろめたさ: かつてヘルメットを被って火炎瓶を投げていた学生たちの多くは、その後「転向」して企業戦士になり、あるいはメディアの上層部、大学教授、政治家になりました。彼らにとって、あの熱狂と、その後の内ゲバ(凄惨なリンチ殺人)は、**「語りたくない黒歴史」**です。
  2. 現在進行形のタブー: 例えば、関西生コン(連帯ユニオン)の問題や、大学における特定セクトの影響力などは、触れると街宣車が来たり、訴訟リスクがあったりするため、メディアも及び腰になります。
  3. 「複雑すぎて説明できない」: 「中核派と革マル派はどう違うの?」「社会党左派と右派の対立は?」といった話は、予備知識がない若者にはあまりに複雑怪奇です。

結論:歴史の連続性を知る意義

今の社会で起きていることの多くは、この時代の**「残り火」**です。

  • なぜ沖縄基地問題であの団体が騒ぐのか?
  • なぜ憲法改正議論になると、特定の学者やメディアが一斉に反対するのか?
  • なぜJRの駅には「ストライキ」の貼り紙がなくなったのか?(国労の敗北と解体)

これらは全て、かつての「ヘゲモニー争奪戦」の結果であり、その残存勢力による最後の抵抗戦、あるいは既得権益化(構造化)した姿です。 この「系譜」を教えないことは、確かに一種の**知的怠慢(あるいは意図的な隠蔽)**と言えるでしょう。この地図を持ってニュースを見ると、世の中の解像度が劇的に上がるはずです。