2025年10月11日土曜日

特殊相対性理論も一般相対性理論もアインシュタインから離れてみる 相対論のかんたんな理解の仕方 、相対性理論を「ピンとくる」易しい入口

特殊相対性理論も一般相対性理論もアインシュタインから離れた方が簡単 相対論のかんたんな理解の仕方 ・相対性理論はわかりにくいか  相対性理論を勉強して分かりにくいと経験して失敗した人は多いのではないでしょうか。  物事はいろいろな見方をすることができて分かりにくく思えることも入り口戦略を変えれば簡単に理解することができる場合があります。  特殊相対性理論を勉強しようとするとアイシュタインの論文の解説みたいなものから理解する本があります。  アインシュタインは頭がいいですし100年以上前の説明の仕方で相対性理論を理解しようとするのはユークリッドの原論、代数学のディオファントスやアルキメデスの代数や幾何学の原典の翻訳から理解しようとするくらい不毛になる可能性があります。  ですから相対論を理解するのも不毛でもなく科学・数学の100年以上の蓄積を踏まえた理解や勉強の仕方をするべきです。  そこで相対性理論を分かりやすく解説してみました。 ・まず特殊相対性理論から  特殊相対性理論を一般の人でも物理学関係の理工系の大学の学部に進んだ人でも勉強した人はいると思います。  いろんな勉強の仕方やいろんな分かり方があると思いますがここでは一つのアプローチから特殊相対性理論の入り口を提示しようと思います。 ・ミンコフスキーの見方  アインシュタインの特殊相対性理論の発表後に特殊相対性理論を数学的にまとめて新しい解釈を与えたのがミンコフスキーです。  ミンコフスキーはたまたまかわかりませんがアインシュタインの大学時代の数学の先生です。  また現代数学の父ヒルベルトの親友でもありました。  ミンコフスキーの特殊相対性理論の見方でこういうものがあります。  「時間と空間を同じように考えて4次元の時空という観点で見ると全ての物は速度cで動いている」というものです。  これを四元速度と言います。  例えば我々が空間内で光に近い速さで運動すると我々の主観的時間間隔は変わりませんが、我々を観測する人から客観的にみると我々に流れている時間はゆっくりで遅れているように見えます。  時間が遅く流れている、時間の速度が遅いと言ってもいいかもしれません。  光は光速度一定なのでどんな観測者から見ても空間内で光速度は一定でcです。  となると光は空間の移動に時空内で可能な運動を全振りしていることになります。  つまり時間にふる速度は0になります。  もし光を擬人化すれば光にとって主観的な時間はどう感じるのかよく分かりませんが、光を観測する人の目から見ると光は時間をもちません。  ひかりには時間が流れないのです。  永遠の今を生きているみたいな表現になります。  「永遠は一瞬で一瞬は永遠」みたいなネオプラトニズムみたいでかっこいいというか中二病くさい表現かもしれませんがそういうことになります。  逆に我々が空間内で静止している時には空間ないの速度が0ですので速度は時間に全振りになります。  我々人間は残念ながら(?)光と違って質量があるので空間の速度に速度cの全振りはできません。  時間はどうやっても流れてしまいます。  宇宙を高速で旅して戻ってきた場合浦島太郎効果はあっても全く元の年齢のままというわけにはいきません。  地球に戻ってきた段階で旅行者はちょっとは出発前より歳をとっています。  我々にとっての主観的な時間は変わりませんが観測者にとっては我々の時間は早く流れているように観測されます。  時間が流れることに自分の持っている固定値cを全振りしている状態になります。  逆に光は時間に速度を割り振ることはできないので観測者にとっては光の時間は流れません。  これはある種の保存法則のような感じですので何となく「特殊相対性理論って気持ちいい理論だな」と思う人はいるのではないでしょうか?  面白いだけではなくこの観点からは簡単に特殊相対性理論の結果として現れるいくつもの現象が説明できます。 ・分かりやすい一般相対性理論のアプローチの仕方  一般相対性理論は特殊相対性理論を一般化したものです。  どういう風に一般化したのかというと特殊相対性理論は相互に等速直線運動をしている系の間の物理法則を理論化したものです。  古典力学では光速度普遍を説明できなかったのでできるような理論を作ったのです。 それに対して一般相対性理論ではお互いに加速度関係にある2つの系の観測問題を扱います。 加速度運動全体から見れば等速直線運動も静止も加速度運動の特殊な場合でしかありませんので一般相対性理論は特殊相対性理論を含むより一般的な理論になります。 よく使われるのは「質量で空間がゆがむ」「加速度運動で感じる慣性力と重力は同じもの」みたいなものです。 トポロジーが得意な人なら上手な理解やイメージをできるのかもしれませんがちょっとすっきりしないという人もいるかもしれませんし、なぜそうなのかを理解する糸口にはなりにくいと感じるかもしれません。 ・特殊相対論と一般相対論をまとめて理解する  相対論が困るのは4次元の理解だと思います。  四次元以上だと理解に工夫が必要になります。  一般相対論は時空も歪むのでまた別のとっつきにくさもあります。  とっつくにはいくつか方法があります。 ① 空間は三次元空間ではなく二次元空間(場合によっては一次元空間)で考える。 ② 川の流れのアナロジーで考える。 ③ 時空というか空間に尺度の違う物差しや数値をペタペタ張っていく。 ④ 例えばゆがみを色の濃淡のような色を使って表現する。 ⑤ 時空を流体に見立てて動いているのは物質ではなく時空の流れに乗っているだけと考える。 などがあります。  他にもいっぱいありますが簡単に解説します。 ①はよく使われる方法だと思います。  二次元空間にしてしまえば質量のある付近は穴のようになって穴の底に質量があるようなイメージになります。  ②川の流れは時間を流れと見立てます。  川も静かな平面が水平で速度も均質に流れるような巨大河川のイメージもあるかもしれませんが、川底の形が複雑だったりすると局所で流れの速さが違ったり水面の高さが違ったりする場合があるでしょう。  そういった科話から相対論のイメージを構築していきます。  ③はよいアイデアでイメージ的にもいいのかもしれませんが自分でやるとなるとめんどうくさそうです。  コンピュータかAIを利用するといいかもしれません。  ④のゆがみを色の濃淡でイメージするのも一つのイメージとしてありかもしれません。  ⑤は今回の本命で時空を液体と見立てて質量があるところに時空の流体が流れ込んでいくイメージになります。  相対論効果があったりなどがあるので流体力学とは違いますが徳部うつな場合は局所では流体力学のアナロジーが使えます。  質量は吸引する穴みたいなもので質量が大きいほど吸引する水の量が多く流速も早くなります。  流速が早いと相対論効果が出ますので時間の進行はゆっくりになります。  これを表現したければ流速が早いところを色の濃淡などで表すという手があります。  物体は、それ自体が質量があるとかいう点は置いておいて流れの中を流されていく存在です。  流れに乗るのが最短経路です。  流れに乗るのを邪魔されると物質は力を感じます。  それは慣性力でありイコール重力です。  我々地球に住んでいる生き物は地面があってその上で動かず、あるは地表をのろのろ移動し重力を感じている状態を普通と思っていますが、もしかしたらそういうのは特殊で時空という流体の流れの中を素直に流れていく状態の方が自然なのかもしれない、という発想もあり得ます。 ・入口の大切さ  よく出口戦略が大切だと言われますが科学においては入り口戦略が大切です。  技術や産業や経営では出口戦略、すなわち成果が大切かもしれませんか科学においては出口がある必要はありません。  むしろ入り口と過程や方法が大切です。  科学や数学などの基礎学問においては出口も結果も必ずしもそもそもあるかすら分かりません。  結果よりも過程や努力が大切だときれいごとが言える世界です。  まあどろどろした学会や学会政治もあるのですけども。  何かを勉強したり発明、発見するときは着眼点が大切です。  アインシュタインのような説明では分かりにくい人は多いのではないでしょうか?  アインシュタインは天才ですが同時に若さもあったと思います。  同時期に光速度普遍の問題を解決する理論を研究する研究者は多数いて中にはポアンカレやヒルベルトという代数学者もいたと思いますが、ポアンカレは間違いなく天才ですがそれでもアインシュタインが、単に古典力学と電磁気学と単純な比喩を使って特殊相対性理論を導いたのは象徴的です。  天才がスペック任せで単純な方法で難問を解くのは天才中学生が中学までで教わる数学で数学の最大の難問を解いたのに似ています。  数学の世界では40歳過ぎたら研究にはもう役に立たないと言われます。  若さのスペックや脳の力はすごいものです。  年配の頭のいい人でもそこらを歩いている若者を捕まえて7桁の数字の逆唱勝負を突然行わせたら若い人が勝つことも多いのではないでしょうか。  アインシュタインはミンコフスキーの特殊相対性理論の数学化には当初は理解を示さなかったか示せなかったと言われています。  一般相対性理論を作る際に数学が必要になってミンコフスキーの数学アプローチを取り入れたとも言われています。  上の若いほどいいとは矛盾しますがアインシュタインが一般相対性理論を作ったのは特殊相対性理論の十数年後だったと思いますのでやっぱりアインシュタインは歳をとっても天才だったのでしょう。  あるいはニュートンもガウスも素晴らしい発明、発見の条件は考え続けることと言っていましたのでアインシュタインはねちっこいというかこだわって考え続けられる人だったのかもしれません。  ただアインシュタイン的な理解の仕方よりはのちの数学者や理論物理学者やその他の人が分かりやすくまとめてくれた方が分かりやすいのはアインシュタインの例に限りません。  古代ギリシア数学はすごい高みに達していましたがそんなものは意味がなく現在の数学を学べば済むので意味がない、ということを1900年頃のアメリカの数学会の会長で『数学を作った人々』という本を書いたベルが繰り返し書いています。 当時の彼らの理解の仕方より現代の数学教育で学習する理解の方も理解しやすくなっています。  ちょっと非直感的な学問を勉強する際には、物理学なら量子論や相対性理論のようなものを学ぶ際にはちょっと切り口というか入り口戦略を変えるだけで理解が途端に容易になる場合があると思われるので例示してみました。  

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